岩手県宮古市とそれより北へ。 海岸線のとあるキャンプ場。 ここも津波の跡があるもののどちらかというと自然体でそのものが残っている。 no. 110112-2 The Sink and Faucet, Iwate, Japan, 2012 こちらはキャンプ場の炊事場のシンクを真上から捉えたもの。 シンクには土砂が溜まりそこに藻類が生えている。震災から1年半、街から離れた手つかずの所ではこうした一つの創世を見ることもある。 ところで画面右上から生えているのは炊事場の蛇口ですが蛇口ごと90度近く右にひねられている状態。ここには4つの蛇口がありましたがどれも同じ方向へねじれていました。周りの状況からもおそらく海から押し寄せた水の勢いでこのようになったと思われます。 少し信じがたいのは津波によりガードレールはもちろん水の抵抗の少ないパイプ状の手すりみたいなものも飴のように曲がっているのを目の当たりにしたこと。もちろん流れてきたガレキに押され変形したりしたのだと想像は出来ますが蛇口のように小さく比較的抵抗の少ない物もこのようになるのは少し不自然に思ったり。 no. 103112-3 The Seawall, Iwate, Japan, 2012 ここからは私の推測。 津波はただ強烈な水の流れではなく海岸線で土砂と混ざることで粘性を増す物体に変化するのではないだろうか。でなければこれ程様々な物が不可思議な変形をするものだろうかと。 第一波の津波とそれ以降またそれぞれの海岸地盤の性質等一概には言えないところが難しいところ。ただ津波の水は普段考える特性の水ではないことは言えるのではないだろうか。 古家 万 |